高3の夏 歯学部との出逢い1
私が歯医者になろうと決めたのは、高校3年生の6月のことです。当時通っていた駿台予備校で配布された大学受験用の資料に目を通していたときでした。在籍していた同志社高校では、そのまま同志社大学へ進学することが前提だったため、受験対策は特に行われておらず、他大学への入学を希望する生徒はみな予備校に通って勉強していました。同じ高校の予備校仲間がほぼ全員京都大学を志望していたこともあり、私も京大のどの学部に進もうかと思案しながら、定員や偏差値の一覧表を眺めていました。
予備校では理系クラスに在籍していたことから、まずは工学部や理学部、医学部、農学部、薬学部などが選択肢となります。数学や物理、化学をすでに高校で習っていたため工学部や理学部は身近に感じられ、機械工学や電気工学、数理工学を勉強したいと思う一方、理学部で動物学や気象学を専攻するのもいいなと気持ちが揺れていました。とはいえ医学部や農学部、薬学部というと何となく遠い存在です。特に医学部に対しては、研究というより過酷な診療のイメージを強く持っていたこともありますが、何より人が死んでいく世界は、当時の私にとってかけ離れたものでした。むしろ三島由紀夫やフロイト、デカルトなどに少なからぬ影響を受けてきた高校生としては文学部にまで目が行ってしまい、なかなか考えがまとまらないという状況だったのです。
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