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心療歯科15 |
DENTAL PSYCHOSOMATIC DISEASE |
歯科心身症
「心身症」という病気をご存知でしょうか。名前から判断すると、心あるいは体に発生する病気を指しているかのようですが、実際には片方ではなく、心と体の両面が悪くなる病気をいいます。元来心と体は相互に影響を与え合うため、一方の調子が悪くなればもう一方にも問題が生じる場合が多いものです。
1991年の日本心身医学会の発表によると、心身症とは「身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機械的障害が認められる病態をいう。ただし、神経症やうつ病など、ほかの神経障害に伴う身体症状は除外する」と定義されています。
何だか堅苦しい説明ですが、心身症に似た病気が幾つかあるため、それらと心身症とを区別して正確に表現すると、上記のような文章になってしまうのです。
わかりやすく説明すると、体の病気によって心にストレスがたまった状態や、ストレスが体の病気を悪化させているケースを心身症といいます。つまり心身症のみが単独で存在することはなく、必ず体の病気の「おまけ」として心身症が付いてくるということです。従って、病名は顎関節症(心身症)やシェーグレン症候群(心身症)などと表記し、カッコの中に心身症が書き加えられるのです。その中で、口の内外の病気に関連するものを「歯科心身症」といいます。顎関節症や歯周病、味覚障害、噛みしめ呑気症候群など、歯科領域の病気の中には、歯科心身症としての対応が必要となる病気がたくさんあります。