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心療歯科16 |
歯科心身症と身体表現性障害
心身症と身体表現性障害はともにストレスなどの社会的・心理的要因を背景に、体に症状が現れる病気ですが、体にはっきりとした異常があるかないかによって両者を区別(鑑別診断)します。
心身症の場合は体に異常が見られることが特徴で、例えば口を開け閉めする時、顎関節で雑音(クリック音)がするというような異常が見られます。一方、身体表現性障害の場合は体の症状を説明できるような異常は検査を行っても見つかりません。例えば、どうしても前歯の歯並びが気になるというような身体醜形障害の患者さんの場合、実際には前歯がきれいに並んでいたり、多少の乱れがあってもよくある軽度のものです。
体の病気には器質性と機能性があり、それぞれ由来する原因が異なります。器質性の異常とは、体に何らかの外見上の変化が見られることです。それは肉眼でわかる場合と、エックス線検査や病理組織検査によって判明する場合があります。一方の機能性の異常とは、文字通り体の機能の異常を意味し、痛みや痺れ、違和感など目に見えない症状をいいます。
また、ストレスなどにより痛みが引き起こされる病気を疼痛性障害といい、身体表現性障害に分類されています。例えば、舌症状でストレスが関係しているケースでは、本当に舌痛症(心身症)なのか疼痛性障害なのかを区別することは専門家にとっても難しいといえます。