歯の喪失は社会的孤立への第一歩
定期的なメインテナンスを受けている人は失う歯の数が少ない、歯を長持ちさせることができるという調査報告があります。一方で、定期的なメインテナンスを受けることなく口の中の状態が悪化していくと、どんな事態が起こるのでしょうか。
口腔の状態が悪化すると身体的影響と社会的影響、両面のデメリットが生じます。つまり、全身の健康状態や咬合状態の悪化だけでなく、見た目が悪くなったり、会話に不自由するなど、予想外の悪影響に見舞われる可能性があるのです。これらの連鎖により、引きこもり(社会的孤立)が発生することが大規模な疫学調査で確認されています。
愛知県在住の65歳以上の高齢者を対象にした4年間の追跡調査では、開始時引きこもりでなかった4390人中、4年後に引きこもっていた人が7.4%にのぼりました。歯の数は親知らずを除くと28本ですが、19本以下の人は20本以上ある人より引きこもる確率が高くなっています。また、歯の数が19本以下の人では、義歯を使用していない人は義歯を使用している人より引きこもる確率が高いと報告されています。
Koyama, Shihoko, et al. "Does poor dental health predict becoming homebound among older Japanese?." BMC Oral Health 16.1 (2016): 1-9.
https://bmcoralhealth.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12903-016-0209-9
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