| メインテナンスの効果についてでは、Nystromという歯科衛生士が30年間にわたって調べたアクセルソンのデータを見てみましょう。この実験の開始年度は1971年~1972年、被験者は550人以上で、最初の2年間は2ヶ月に1回、その後は各個人の状況に応じて3~12ヶ月に1回、メインテナンスを行っています。内容は患者様への歯磨き指導、フッ素配合の歯磨き剤やペーストを用いたPMTCです。その結果は、メインテナンスが歯を長持ちさせるのにとても有効だということでした。 では、次に実際の数値を見てみましょう。 定期的にメインテナンスを行った人が30年間の間に失った歯の平均本数
              20~35歳  0.4本 (1年当たり、0.01本)
              36~50歳  0.7本 (1年当たり、0.02本)
              51~65歳  1.8本 (1年当たり、0.06本)
             ※年齢は、1971~1972年のメインテナンス開始時のものです。 51~65歳で、20本以上自分の歯が残っている人の割合※20~35歳からメインテナンスを30年間続けた場合、95%以上の人が20本以上自分の歯を残すことに成功しました。 30年間の間に新たに発生した虫歯の平均本数
              1.2~2.1本 (1年当たり、0.04~0.07本)
              (ただし、その内の約80%が以前むし歯治療を行った部位の2次的なむし歯)※メインテナンスを続ければ、新たなむし歯の発生もほとんどないということです。
 ちなみに、平成17年に厚生労働省が発表した最新のデータでは次のようになっています。 年齢別の失った歯の平均本数
              50~54歳  3.7本
              55~59歳  5.0本
              60~64歳  7.1本
             永久歯の虫歯の平均本数
              12歳 : 1.7本
              13歳 : 2.6本
              14歳 : 3.3本
             (1年当たり、0.7~0.9本むし歯が増加している)※ただし、これは比較的むし歯ができやすい年齢においてのデータですから、その点は考慮する必要があります。
 いかがでしょうか。現在のところ、日本で定期的なメインテナンスを受けている人は2%程度だといわれていることから、上記がメインテナンスを行わなかった場合のデータに近いといえます。実際にこうして数字で見比べてみると、メインテナンスがいかに重要かをご理解いただけるのではないでしょうか。ちなみに、日本で定期的にメインテナンスを行っている人は2%程度ですが、例えばアメリカでは年間所得400万円以上の人の約80%、また年間所得200万円以下の人でも約50%が歯のメインテナンスを受けているのです。さすがは合理主義のアメリカですね。 MENU  |