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むし歯とむし歯予防のための食生活について
むし歯とは、口腔内に棲息する様々な細菌が歯に付着して酸を生成することにより、歯を溶かした(歯のカルシウム分が溶け出した=脱灰した)状態のことをいいます(図1)。通常この現象はお口の中のpHが5.5以下の強い酸性状態になった場合に起こります。
お口の中も含めて人間の体はpH7前後の中性状態に保たれていますが、食事を摂ったり飲み物を飲んだ後はpHが急激に低下し、5.5以下の酸性状態となります。この状態が続くと歯が脱灰されてむし歯ができてしまうのですが、幸いなことに唾液には緩衝作用(酸性やアルカリ性の状態を中性に変化させて保つ働き)があり、飲食後の酸性状態を速やかに中性状態へと戻してくれます。見方を変えると、むし歯の進行は唾液の量や緩衝能キューピッド力といった個人の体質に左右され、大きな差が生じるということ
口臭には生理的口臭、病的口臭など様々なタイプがあります。しかし、その原因のほとんどはお口の中にあるため、効果的な治療を行えば必ず治すことができます。
当クリニックでは、あらゆるタイプの口臭に悩む方のために口臭外来を設けております。この外来では、至近距離でもニオイがないように徹底したブレス・コントロールを行うことにより、エクセレントブレス(透明な息)を実現させています。
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図1 食事による口の中の酸性化と中性への回復(ステファンカーブ)
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この図の横軸は時間・縦軸はpH(酸性・中性・アルカリ性を表す単位)を表します。食事をすると、pHが5.5以下の酸性になり、歯を溶かします(脱灰⇒赤の部分)。食事後時間が経過すると、唾液の働きで中性に戻り、歯が溶け始めた部分にカルシウムが再び取り込まれpH5.5以上の中性の状態に戻ります(再石灰化⇒青の部分)。
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いまお話した通りむし歯は人間特有の病気であり、食生活との密接な関連性が指摘されています(図2)。そこで、次にむし歯予防の基本となる食生活についてお話しましょう。まず第1のポイントは糖分の摂取頻度を抑えること、つまりだらだらと飲んだり食べたりしないことです(図3)。次に第2ポイントとして、就寝前に飲食しないことが挙げられます(図4)。睡眠中は唾液の分泌が減り、むし歯になりやすい危険な時間帯だからです。
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図3 間食の多い食生活
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図2と比べ、飲食の間隔が短いため、脱灰時間(赤)が長くなりむし歯になりやすい生活リズムです。再石灰化時間<脱灰時間
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また、かぜをひいている時やお腹をこわしている時にも口臭は強くなります。その他、歯磨きがおろそかになると、むし歯や歯周病などが発生し口臭に結びつくこともあるため、食生活や歯磨き習慣にも気をつけましょう。
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図4 間食・夜食のある食生活
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図2・3と比べ、飲食の間隔が短い上、就寝前の間食の影響で、脱灰時間(赤)が更に長くなりむし歯になりやすい生活リズムです。再石灰化時間<脱灰時間
しかしながら、現代の食生活では米やパン、めん類などの加工デンプン質を主食とせざるを得ないのが実情であり、砂糖を含む加工食品から隔絶して生きていくことはほとんど不可能です。従って、口腔内の細菌酸数を極力減らすためにも正しい歯磨きを行い、砂糖入りの飴やガム、ドリンク類などを頻繁に摂取しないように心がけることが大切なのです。
特に砂糖入りの飲み物は、たとえ0.1%の砂糖液(ほとんど甘さを感じない濃度)であっても歯を溶かす(=むし歯になる)pH5.5以下になるため、十分な注意が必要です。実際にほとんどの炭酸飲料、乳酸飲料、また清涼飲料には10%前後の糖分が含まれており、スポーツドリンクも同様に虫歯を起こし得る濃度である5%を上回る糖分を含有しています。また、低糖、微糖などの表示があってもむし歯を起こし得る濃度を上回る糖分を含有している場合もあります。
そこで、むし歯にならない飲み方のポイントを挙げてみましょう。
- できれば水かお茶を飲む
- ジュース類は分けて飲まず一気に飲む(1日1~2本に留めておく)
- 就寝前には飲まない
- スポーツドリンクは歯にとって安心できる飲み物とはいえない
- 低糖・ダイエットなどの表示があっても虫歯にならないわけではない
- コーヒーシュガーは砂糖の含まれていないダイエット甘味料を選択する。
その他、小児用のドライシロップにも注意が必要です。シロップ状の総合感冒薬10種を分析したところ、23~48%もの糖分が含有されていたというデータがあります。これらは長期連用を避け、服用後にはブクブクうがい(水を口に含み何度もブクブクとすすぐ)を行うとともに、キシリトール入りのガムを噛むことをお勧めします。
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