むし歯のごく初期の段階では歯に穴は開かず、歯の表面を覆っているエナメル質が白くなるだけです。エナメル質の内部で表層化脱灰といわれる空洞が生じる場合もありますが、この段階ではまだ歯を削って治す必要がありません。虫歯の進行をうまく止めることができればこの空洞は自然に塞がり、元の健康な状態に戻ります。つまりむし歯が治るのです。
また、むし歯が少し進行してエナメル質に穴が開いてもまだ手遅れではありません。この段階でむし歯の進行を食い止めることができれば穴は広がらないため、むし歯を削らなくてもよいのです。
では、どの程度進行したらむし歯を削って治す必要があるのでしょうか。エナメル質の内部にある象牙質の厚みの1/3を超えて進行した場合には、削って治した方がよいとされています。ただし、1/3以内に収まっていても、場合によっては削って治す必要があります。
むし歯を削る必要があるのは、以下の項目に複数該当する場合です。
- むし歯の穴が目で見て確認できる
- 食べかすが詰まったり、しみたりといった自覚症状がある
- 見た目が悪い
- エックス線写真で象牙質の厚みの1/3を超えるむし歯がある
- むし歯のリスクが高い
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