お口ぽかん、すなわち口唇閉鎖不全の実態を調査した研究です。日本各地の66件の小児歯科が協力し、3歳から12歳までの3399名の小児を対象として調査しました。その結果、30.7%の小児に口唇閉鎖不全が見られました。口唇閉鎖不全は口唇の筋肉が未発達な3歳児が多そうですが、実際には3歳児は19.0%、12歳児が39.7%と、12歳児の方が多いことが分かっています。
口唇閉鎖不全と関連する症状
上記の全国調査では、口唇閉鎖不全との関連が疑われる44項目の症状についても調べています。その結果、以下の12項目が口唇閉鎖不全と関連していました。
- 唇にしまりがない
- 口を開けて寝る
- 口がよく乾く
- 上下の唇の間から歯が見える
- 1分以上開口できない
- (くちゃくちゃと)騒がしい音を立てて食べる
- 睡眠中に鼻詰まりしやすい
- 口を閉じて食べられない
- 出っ歯
- 日中に鼻詰まりしやすい
- 日中に口臭があると言われた
- 起床時に口臭があると言われた
Nogami, Yukiko, et al. "Prevalence of an incompetent lip seal during growth periods throughout Japan: a large-scale, survey-based, cross-sectional study." Environmental Health and Preventive Medicine 26 (2021): 1-9.
口唇閉鎖不全の顔貌
3歳から5歳までの144名の口唇閉鎖不全の小児の顔貌を3次元レーザースキャナーで調べた研究です。その結果、以下の特徴が浮かび上がりました。
- 鼻(鼻尖)が低い
- 鼻の下(鼻下点)が前に出ている
- 上下の唇が前に突き出している
- オトガイが後退している
Inada, Emi, et al. "Incompetent lip seal affects the form of facial soft tissue in preschool children." CRANIO® 39.5 (2021): 405-411.
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