乳幼児期および学童期を通して、全身疾患による免疫力の低下から、子供の口臭が起こりやすくなります。また、精神的なストレスや食習慣、歯磨き習慣によっても口臭が生じる場合があります。
ところで、子供の口臭にも様々なケースがありますが、急に口臭が起こり、以後常ににおう場合は耳鼻科、あるいは呼吸器系など何らかの基礎疾患による呼気性口臭の疑いが強いため、まずは小児科を受診しましょう。
また、徐々ににおうようになったり、口臭があったりなかったりする場合には、小児歯科を受診します。この場合はむし歯を放置していたり、口腔内の清掃状態が不良のため、歯垢がたまって「単純性歯肉炎」を起こしている可能性があります。歯磨き時に出血が見られたら、その疑いが強いといえるでしょう。
その他のケースとしては、口呼吸のため口腔内に雑菌が侵入して不潔になることからむし歯や歯周病を促進してしまい、やがて口臭が生じる場合があります。
子供は3歳までに舌や唇、口の周囲の筋肉(口輪筋、頬筋)を鍛える訓練をしていないと口の閉鎖が不十分となり、鼻ではなく口を使って呼吸を行うようになってしまいます。そして、この口呼吸が乳幼児期・学童期を通して子供の口臭の最大の原因となっているのです。
口呼吸によって口腔内が乾燥すると、生理的口臭の増強された状態が続くことになり、口臭がきっかけとなっていじめが起こるケースもあるため、注意が必要です。この場合には、口臭への対応とともにいじめの本質的な問題の究明、そして本人の心のケアの「3つの対応」が求められます。
また、かぜをひいている時やお腹をこわしている時にも口臭は強くなります。その他、歯磨きがおろそかになると、むし歯や歯周病などが発生し口臭に結びつくこともあるため、食生活や歯磨き習慣にも気をつけましょう。
ところで、口呼吸の弊害は口臭のみに留まりません。口呼吸によって口腔内が乾燥すると、のどや鼻が弱くなって耳鼻科領域の器官の発達が未熟となり、慢性的な耳鼻科アレルギーや喘息、アトピーなどを誘発する危険性があります。また、頭脳の発達への悪影響も示唆されているため、早期に鼻呼吸へ転換する必要性があります。従って、小児歯科で適切な生活指導と専門的な口腔衛生指導を受けることが肝心です。
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