かけがえのない我が子に芽生えた小さな歯。初めての乳歯を見つけたときの喜びは、日々の子育ての労苦に対するご褒美かもしれません。歯の健康の大切さを熟知する大人とは反対に、多くのお子さんにとって歯磨きは不快で、面倒で、遊びの邪魔をする厄介ごとのようです。生涯にわたってむし歯の痛みに泣かされないように、できるだけ正しい歯磨きの習慣を身に付けてもらいましょう。当院の歯科衛生士がいつでもご協力します。
0〜2歳
この時期のお子さんは、特に歯磨きを嫌がりがちです。一挙手一投足において手がかかるうえ、言葉で気持ちを十分に表現できないため泣くばかりです。まずは親がお手本になって、歯磨きをする姿を見せてあげましょう。歯磨きは怖くない、むしろ気持ちがいい、毎日当たり前にすることだと親が行動で示すのです。0歳児でも家族を観察していて真似をしたがります。親子間、きょうだい間でぬいぐるみを使った歯磨きごっこもおすすめです。歯が生え始める前からガーゼや歯ブラシをお子さんの口に入れて慣れてもらい、生えた後の実践に備えましょう。前歯だけでなく、奥の方の歯茎まで触っておくことがポイントです。授乳時など、いつもの抱っこスタイルで優しく声かけをしながら、歯磨きを教えてあげてください。
食生活のポイント
歯磨きだけではむし歯を予防できません。食生活が重要です。水分補給は水かお茶にして、ジュースではなく生のフルーツを食べさせてあげましょう。
3〜6歳
この時期のお子さんにはむし歯がなぜできるのか、どうしたら予防できるのかを親子で話し合い、一緒に調べることがお勧めです。かかりつけの歯科で教えてもらうという方法もあります。そこで得た知識を他の家族に伝授できたら、本人の自信とやる気につながります。親の指導下でお子さんが歯垢染色液を使えるようになると、染まった歯を鏡でじっくり観察して歯に対する意識が高くなります。自分の指で唇を上下させたり、顔の向きを変えたりしながら歯ブラシを使うようになるかもしれません。これこそが正しい歯磨きへの王道です。親子で歯垢染色液を使いこなし、歯磨きの達人を目指しましょう。
食生活のポイント
乳歯も永久歯も、虫歯の主な原因は食生活です。ジュースやお菓子のストックはやめて、糖分摂取に注意する必要があります。ジュースはレジャーや外食など、特別なときに楽しむのがおすすめです。お菓子は一緒に買いに行き、お子さんが選んだお菓子の成分を一緒にチェックしましょう。選んだお菓子を否定するのではなく、成分に目を向けることにより、糖分に対する意識を高めていきます。
7歳以上
まだ歯磨きをイヤがる場合は、「3〜6歳」を参考に余裕をもってお子さんと向き合いながら、日々歯磨きをする姿を見せてあげてください。歯のケアに対する親の真剣さが伝わると、お子さんも興味を持つかもしれません。親の歯のエピソードを語るなど、きっかけ作りをお願いします。
食生活のポイント
この時期の永久歯は、幼若永久歯という柔らかいスポンジのような歯です。食生活に注意するだけでなく、フッ素を取り入れて強く硬い永久歯を作り上げましょう。水分は水かお茶の2択を習慣化し、3食+おやつの時間を規則正しく取り入れます。ダラダラ食いは虫歯のリスクを高めるため厳禁です。
私たち大人と同じように、お子さんご自身の歯との向き合い方もそれぞれです。歯と全身病との関連性が次々に判明している今、ぜひかかりつけの歯科で気軽に相談しながら、お子さんに適した口腔ケアを行いましょう。
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