矯正治療後のワイヤー固定を外しても大丈夫ですか
矯正歯科で、矯正を終えています。来年の1月で、歯の裏側の上下の固定式のリテーナー(ワイヤー)を外そうと思います。終了ということです。ところで、確認ですが、リテーナーをしながら、そちらで、歯石除去、歯周病、虫歯の治療などは、できますか?自分で決めたとはいえ、矯正を終えるにあたり、治療が、できるなら、リテーナーを外すべきか、迷っています。
矯正治療(動的治療)終了後は後戻りを防止するため、取り外し式のリテーナーを就寝時に装着するか、前歯の裏側にワイヤーで固定するか、いずれかの対応をすることが一般的です。ワイヤーで固定していても、歯石除去、歯周病、虫歯の治療などは可能です。
矯正の動的治療が終了し、歯に取り付けていたブラケットやワイヤーを除去したり、取り外し式のアライナーを使用しなくなったりすると、多くのケースで後戻りが生じます。後戻りの程度には個人差があり、ほとんど目立たないこともありますが、前歯が1,2本飛び出したり引っ込んだりして目立つこともあります。ただし、元の状態に戻ることはありません。
後戻りは動的治療が終了した直後の時期に最も起こりやすいため、当分の間(2年程度)は何らかの後戻り防止措置を講じることが一般的です。その方法はリテーナーの夜間使用や前歯の裏側のワイヤー固定、アライナーの使用継続などとなります。
これらの後戻り防止措置の継続について疑問をお持ちであると推察しますが、矯正治療が終了した時点から、歯並びが少しずつ悪くなっていくことは避けようがありません。年単位で続いた矯正治療をようやく終えた患者さんに対して、「今日から歯並びが徐々に崩壊していきます」と不都合な真実を告げる矯正の先生はほとんどいないでしょう。
後戻りは避けがたいと思っていても、極力避けたいのは矯正の先生も同じです。従って、後戻り防止措置を行いつつも後戻りについて穏やかに説明し、ある程度の後戻りについて理解を得ようという考え方をお持ちのようです。
当然、患者さんにとっては目立つ前歯の歯並びに注目しますが、矯正の先生は奥歯(臼歯)の歯並びや噛み合わせが理想的に仕上がることに尽力します。矯正治療後には臼歯のかみ合わせがしっかりと整うため、治療後に臼歯の歯並びが後戻りすることはほとんどありません。ただし、大きな虫歯ができたり、歯周病が進行したりすれば、後戻りや歯並びの乱れが起こりやすくなります。
後戻りの多くは前歯に生じ、程度もさまざまですが、受け入れていく必要があります。
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