歯周病菌は、酸素のある環境ではほとんど活動できない細菌です。歯周病菌は歯と歯肉の境目(歯周ポケット)に巣を作り、進行するにつれてポケットが深くなるため酸素が届きにくく、そのため活動しやすくなるのです。そこで、歯周ポケットを浅くして酸素を届きやすくする(歯周病菌が生息できない状態にする)ため、外科手術を行います。たとえ歯ブラシが届かないほどの深い歯周ポケットでも、歯の根の4分の1がアゴの骨に付いていたら、手術で炎症部を取り除くことが可能です。そして、術後は歯磨きなどで歯垢(プラーク)をなくすケアを行えば新しい結合組織が生まれ、歯とアゴの骨とが自然につながります。
歯周外科手術
中程度以上に進行した歯周病に対する一般的な外科治療法です。麻酔を行い、歯肉を切開して歯周ポケットの深部にたまった歯石などを取り除き、ポケットが浅くなるように歯肉を位置付けて縫い合わせます。術後は歯周病菌の巣がなくなり、歯周ポケットが浅くなるためケアしやすく、将来的に歯が長持ちするようになります。
歯槽骨整形術
歯周病菌によってデコボコになったり、穴があいてしまった骨の形状を整えます。歯肉だけでなく、歯を支える骨も同時に整える手術です。
骨移植術
骨が溶けて穴があいてしまった場合に、お口の中の他の箇所から健康な骨を取り、その穴に埋める治療法です。基本の歯周外科手術と共に行います。
歯肉再生術
プラーク中の細菌や歯ブラシなどによる刺激に対して、抵抗できる丈夫な歯肉が不足している場合に、上アゴの強い歯肉を弱い部分に移植することにより、歯肉を再生する手術です。
歯槽骨再生術
エムドゲイン・ゲル法により、溶けてなくなった歯槽骨を再生します。
歯周病は、痛くなってからでは手遅れです。痛くなる前に、的確な検査と治療、そして予防を行いましょう。また、治療後はご自宅でしっかりとブラッシングを行い、歯科医院で定期的にPMTCを受けることが大切です。
|