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六君子湯
人参剤の代表方剤である四君子湯から発展した方剤で、人参、白朮、大棗、甘草、茯苓、生姜、半夏、陳皮の八つの生薬から構成されています。その内容の通り、人参剤、苓朮剤、半夏剤の三つの要素を兼ね備えています。
六君子湯は逆流性食道炎の治療薬として広く用いられていますが、この病気は胃酸により食道粘膜が炎症を起こして胸やけなどが生じるもので、脾胃の気虚や水滞ではありません。そのため、中医学の弁証から捉えると六君子湯の証ではありません。
食道の炎症は脾胃の熱と見なすことができます。脾胃の熱に用いるのは大黄剤、代表方剤は大黄甘草湯となり、大黄の働きにより排便させて脾胃の熱を奪います。ちなみに肝の熱であれば柴胡剤を用いて代表方剤は小柴胡湯、心の熱には芩連剤を用いて代表方剤は黄連解毒湯です。水を集めて心熱を冷ます作用ですが、そのために水滞になった場合には半夏瀉心湯を用います。