子供時代の歯医者像とは4
それから、歯医者は会社や病院といった組織に属することなく、単独でできるという点もまた魅力でした。1980年当時はオイルショック後の変動相場制の開始期であり、かつ終身雇用制による高度経済成長の名残が濃厚に残っている時期だったことから、学校教育では個性より協調性が重要視され、組織の中では自己抑制を強いられ、ひたすら頑張ることをよしとする風潮だったのです。当時は子供心にも、会社に入ったからには組織の一歯車となり、定年まで忠誠を尽くして働くものだという覚悟を持っていたように思います。
しかし、組織に属することに対してどこか抵抗感があり、できることなら組織に属さず個人として生きていきたい、自分の力を試してみたいという思いが強くありました。とはいえ自分にそんな力があるとも思えず、家業を継ぐか組織に入るかのどちらかを選択することになるだろうと予測していたのです。歯医者になることを思いついたのは、まさにそんなときでした。たとえ簡単にはなれないとしても、一人前の歯医者になりさえすれば何人にも頼ることなく自立して生きていけると考え、歯医者になることこそがこの手で未来を切り拓く道標になると確信したのです。
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