むし歯の進行を瞬時に止める世界水準の薬
むし歯治療の原則は虫歯(う蝕)になった歯質を削り取り、生じた穴(歯質欠損)にレジンや金属、セラミックを充填し元の形に修復することです。ただし、小さなお子様や発達障害のあるお子様、心身に障害がある方は、通常のむし歯治療が難しい側面があります。また、高齢者にできやすい根面カリエスは何度削っても次々と再発するため、むし歯治療が間に合わないのが実情です。
このように治療困難なむし歯に対しては、削って詰める通常のむし歯治療とは別の視点による対処が必要となります。日本歯科保存学会やアメリカ歯科医師会の治療ガイドラインでは、サホライド塗布を推奨しています。サホライドをむし歯の表面に塗布するとむし歯菌が殺菌され、むし歯の進行がストップするのです。
サホライドとは
38%フッ化ジアミン銀溶液という無色透明の液体が、サホライドの正体です。この溶液中に38%の銀と5%のフッ素が含まれています。エナメル質や象牙質の主成分は、ハイドロキシアパタイトというリン酸カルシウムです。サホライドを歯の表面に塗布すると、ハイドロキシアパタイトからリン酸銀とフッ化カルシウムが作られ、これらがむし歯の予防や進行防止に役立ちます。
サホライドは1960年代に大阪大学歯学部で開発されました。当時は子どものむし歯が急増し、治療が間に合わない状態で、従来の硝酸銀溶液やフッ化ナトリウム溶液による治療の効果も限定的でした。そんな時代に登場したサホライドはむし歯の進行を止める、いわば救世主だったのです。予防歯科が発達した現在では子どものむし歯罹患率が著しく低下し、サホライドを使う機会は少なくなりました。
根面へのサホライド塗布
サホライドを根面に塗布する場合、むし歯は削りません。根面う蝕の表面に付着したプラークを除去した後、むし歯を残したままサホライドに浸した小綿球を使って塗布します。塗布1分後に水洗いすると、その日の治療は終わりです。この塗布を2~7日間隔で3~4回繰り返していくと、サホライドを塗布したう蝕面は黒くなり、適切な歯磨きによってプラークを除去すると黒光りしてきます。その後、2~3か月で黒光りしたう蝕部分がコロンと塊で除去できます。万一、底にまだ齲蝕が残っている場合は再度サホライドを塗布して2~3か月待ち、同じようにう蝕を除去します。う蝕除去が完了したら、グラスアイオノマーセメントかコンポジット・レジンを充填します。
サホライドを塗布するとう蝕面が黒く変化するため、う蝕を削り取る範囲や深さを知ることができます。このように、う蝕検知の検査液としてサホライドを利用することも可能です。患者様にとっても、黒くなった歯はむし歯予防を心掛ける動機になるでしょう。サホライドはむし歯予防にも効果的で、歯肉が退出し露出した高齢者の根面にサホライドを塗布しておきます。予防のためのサホライド塗布は、1年に1回が目安です。
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