血流スコープによる指先の毛細血管の観察
歯周病、ドライマウス、口臭症、慢性疼痛といった病気を治療していると、このような病気になりやすい問題が患者様の体に潜んでいることを痛感します。これらの病気に共通するのは慢性炎症、細胞の老化といった問題であり、これらはストレスや疲労、睡眠不足、運動不足、栄養の偏りといった日常生活の諸問題とも密接に関係しています。
したがって、慢性炎症や細胞の老化の程度を患者様ごとに調べることが重要となります。これらを簡単に調べるために、当院では血流スコープを使って指先の毛細血管の血流を観察しています。採血が必要な血液検査とは違い、この検査は血流スコープを指先に当てるだけなので痛くもなく、数分以内に結果がわかります。
理想の血管の症例
毛細血管のゴースト化
正常な毛細血管はU字型で等間隔に並んでいます。血流が悪くなると、毛細血管が細くなり、うすぼんやりして血管の形がわかりにくくなります。大阪大学微生物病研究所の髙倉伸幸教授はこのような毛細血管を「ゴースト血管」と名付けました。血流が悪くなると、酸素や栄養を毛細血管の周囲の組織に届けられなくなります。
血流が悪くなる原因は血液が各所で漏れ出していて流れてくる血液の量が減ってしまうからです。このような血液の漏れ出しは高血糖、活性酸素、慢性炎症といった問題から生じています。毛細血管の血管壁は血管内皮細胞でできています。この細胞を外側のところどころに壁細胞がくっついて補強しています。活性酸素は壁細胞を傷つけて血管内皮細胞同士の隙間を広げ、血液が漏れ出しやすくします。その結果、毛細血管内を流れる血液の量が少なくなり、ゴースト血管となります。
毛細血管がゴースト化しやすい状況
端的にいうと、生活習慣の問題で毛細血管のゴースト化が起こります。
高血糖(糖尿病、糖尿病予備軍)
活性酸素
交感神経優位な状態(緊張状態)
睡眠不足
運動不足
高コレステロール
喫煙
老化
ゴースト血管の症例
 
さまざまな症例
https://youtu.be/lKXOxbG_Ung
疲れ、睡眠不足
|