むし歯菌を完全除去する究極の新むし歯予防法が3DSです
当クリニックの3DSが健康情報誌わかさ2005年11月号で紹介されました
3DSとはデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム(歯科薬剤送達システム)の略称で、今世界中で話題の抗菌剤による新しいむし歯予防法のことです。
むし歯菌を除去するためには毎日の正しい歯磨きが不可欠ですが、残念ながらそれだけでは十分なむし歯予防とはいえません。むし歯菌は、砂糖と出会うことにより粘着力が強く水に溶けないグルカンという物質を作り出し、歯の表面のエナメル質に張り付いてしまいます。ところが、このグルカンはできたばかりの初期なら歯ブラシで落とせますが、やがてむし歯菌が増殖してバイオフィルムという膜を形成してしまうと、もう自力で除去することはできません。
そこで、ファーストステップとしてまずこの厄介なバイオフィルムを完全に取り除いてしまいます。これをPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)と呼び、歯科医師や歯科衛生士が専用の器具を使って歯と歯茎の徹底的なクリーニングを行います。その後、歯型に合わせた専用のトレーを使ってむし歯菌の活動拠点である歯の表面に抗菌剤を付け、集中的にむし歯菌を駆除する3DSを行います。3DSで使用するトレーは正式名称をドラッグ・リテーナーといい、歯にピッタリとフィットするマウスピースのような形状で、専用トレーを作成することにより唾液の影響を受けることなくしっかりとむし歯菌を除去できるのです。
3DSの手順
- 上下の歯型を取り個人専用トレーを作成します。このトレーは何度も繰り返し使用できます。
- トレーの内側に低濃度のクロルヘキシジンゲルやポピドンヨードなどの抗菌剤を塗ります。
- 上下の歯に約5分間トレーを装着した後、お口をすすぎます。
- クリニックで除菌を行った後の約1週間は、毎日ご家庭でトレーにフッ素を塗り約5分間装着していただきます。フッ素の作用により歯の表面にバリアが作られ、効果が長持ちします。
3DSによるむし歯予防が特にお勧めなのは、むし歯になりやすい人です。そこで、ご自身のリスクを正しく認識するために、カリエステスト(むし歯リスク検査)をぜひ受けましょう。検査の内容は問診と食生活についての調査、むし歯菌の検査、そして唾液の検査です。
次に、むし歯ができやすくなる傾向がある妊娠中の人にもお勧めで、薬剤は抗菌剤ではなくフッ素を使用して3DSを行います。また、むし歯菌は生後19~31か月頃に母親から感染するため、赤ちゃんの歯を守るために出産後の3DSも効果的です。その他、ご高齢の方は3DSによってむし歯だけでなく誤嚥性肺炎などの感染症も予防でき、また矯正治療を始める人も歯のお手入れが難しくなることから3DSをお勧めできます。
3DSを行うと歯がつるつるになり、お口の中に爽快感が広がります。さらに、むし歯菌が少ない状態になると、これまでむし歯に悩まされてきた人も毎日の歯磨きだけでむし歯を予防できるようになるのです。
当クリニックでは、PMTCと3DSを組み合わせた方法により、最も効果的なむし歯予防を行っています。3DSの効果は半年から1年ですが、むし歯と歯周病の予防のために半年に1度の3DSがお勧めです。
治療費 |
カリエステスト(むし歯菌+唾液) |
3,850円 |
むし歯菌検査と唾液検査単独の場合は各3,300円です。 |
|