フッ素洗口の具体的方法とは
前述の通り、わが国では「8020運動」に欠かせないむし歯予防法として、主に各自治体が中心となって、フッ素洗口の普及を推進してきました。フッ素洗口法は、飲み込まずに吐き出せる年齢、つまり4歳ぐらいの幼児から老人まで広く適用できるむし歯予防・再発防止法です。特に、4歳から14歳(中学生)まで継続して行うことが重要ですが、その年代を過ぎても、フッ素は生涯にわたって歯に対して効果を発揮します。そして、歯科医師の指導下において適切な方法で行う限り、身体の弱い方や障害を持つ方、アレルギー体質の方であっても、年代を問わず安全に利用でき、腎臓病の方にもむし歯予防法としてお勧めできる安全な方法です。さらに、むし歯の治療後の再発防止や、歯列矯正装置を付けた児童の口腔衛生管理など、特にむし歯リスクの気になる人に対して有効です。
フッ素洗口は歯科医院や学校施設でも行いますが、家庭で行うセルフケアはむし歯の予防効果が高くかつ安全で、費用効果もよいためお勧めです。家庭で行うフッ素洗口法は、必ず歯科の指示に従って、保護者が薬剤を管理することが原則です。
またいうまでもなく、歯科で具体的な方法や期待できる効果、そして安全性などについて十分に説明を受けること(インフォームドコンセント)が必要となります。
フッ素洗口には、1週間に5回行う「週5回法」と高濃度な洗口液を使用する「週1回法」があります。いずれの場合も、1回に付き5~10mlの洗口液を口に含んで、約30秒間ブクブクうがいをします。このとき、座って下を向いた姿勢で行うと、すべての歯にまんべんなく洗口液が行きわたります。また注意点として、洗口後30分間はうがいや飲食を控えましょう。
フッ素洗口法は他のフッ素入り製品、たとえばフッ素配合歯みがき粉などと併用しても、過剰摂取にはならないため安心です。安全性が高く、むし歯予防にも治療後の再発防止にも効果的なフッ素洗口法は、ぜひ実践していただきたいお勧めの虫歯対策です。
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