栄養状態を悪化させるオーラルフレイル
硬い物が噛めない
水を飲もうとするとむせてしまう
滑舌が悪い
口が渇く
食べこぼしてしまう
このような症状で困っていませんか。これらをオーラルフレイルといい、口腔機能の低下により生じていると考えられ、体の衰えを示す重要なサインです。オーラルフレイルは舌や口唇の動き(巧緻性や速度)、筋力の低下によって生じ、食欲低下や食事量の減少といった問題を引き起こします。食が細くなると低栄養状態となり全身の筋力の低下、延いては全身の健康状態の悪化へと進んでいきます。
オーラルフレイルが健康を阻害します
千葉県柏市在住の高齢者2,044 人を対象にした疫学調査(柏スタデイ)で、オーラルフレイルが健康にもたらす問題点が明らかになりました。
身体的フレイル 2.4 倍
サルコペニア 2.1 倍
要介護認定 2.4 倍
総死亡リスク 2.1 倍
つまり、オーラルフレイルがある人はオーラルフレイルがない人と比べて、身体的フレイルになる確率が2.4倍であるということです。サルコペニアとは加齢による筋肉量の減少、および筋力の低下のことです。オーラルフレイルがあると、死亡リスクが2.1倍上がるという結果が出ています。
60代以上の半数以上が口腔機能低下症です
2018年に発表された太田緑らの研究によると、60歳以上の過半数(60%)に口腔機能低下症が見られました。この割合は70歳台、80歳台と年齢が上がるにつれて高くなりますが、50歳台では48%、20歳台でも該当者がいたことが判明しています。
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