噛める、噛めない
診療中、患者様から「何でもよく噛める」「時間をかけてもなかなか噛みきれない」など咀嚼に関するお話をよく耳にします。その場合の噛める、噛めないの評価は「硬い煎餅が噛める」「肉が噛みきれない」など食材の違いによって具体化されたり、要する時間で表現されたりします。
咀嚼能率を客観視する
噛めるかどうかをより精密に調べる方法として、専用のグミゼリーを用いて一定時間にどの程度まで細分化されたかを観察する「咀嚼能率スコア法」があります。グミゼリーを噛んでもらって粉砕された度合いを観察し、0から9までの10段階のスコアのいずれに相当するかを判定します。噛める物の種類や噛む時間ではなく、咀嚼能率を数値化して表現できる一方、肉眼で判定するため判定結果に多少の違いが生じやすく、同じ判定人でも毎回同じ結果が出るとは限らないという難点もあります。
より正確に判定できる「グルコセンサー」
人が肉眼で判定するより客観的で正確な判定ができる、それが「グルコセンサー」という機械を用いた判定法です。一定時間グミゼリーを噛むことは共通しますが、この機械はグミから溶け出したブドウ糖の濃度を測定し、溶け出したブドウ糖の濃度が高いとよく噛めていると評価します。グルコセンサーは血糖値の測定と同じ原理で作動しています。
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