歯周病が進行して歯がぐらぐらしている場合、歯周治療に手を尽くして何とか歯を残すべきか、あるいは早めに抜いてインプラントを入れしっかり噛めるようにすべきかは悩ましい問題です。どの段階で抜歯が必要になるかは、歯を支える歯槽骨の残存状態によって決まります。
前歯部の場合、歯根の周囲に高さ4㎜の骨が残っていれば抜歯せず歯を残せる可能性がありますが、臼歯部は歯根の周囲に8㎜の骨があれば前後の歯と連結固定、10㎜以上あれば連結しないで単独で治すことが可能です。
歯周病で歯がぐらぐらしていると、その動揺のためさらに歯周病が進行しやすくなります。歯周病はプラーク(歯垢)や歯石の中に潜む歯周病菌が原因で炎症が起こり、歯肉が腫れて痛み、歯槽骨が溶けてなくなる病気です。従って、最も重要な治療法は歯に付着するプラークや歯石を取り除いて清潔な状態を保つことです。
歯がきれいになって細菌が少なくなれば歯周病はなくなりますが、体調の変化やその他の生活上の問題から歯の手入れを怠ると歯周病が再発します。その際歯の動揺があると歯周病が進行しやすくなることから、歯の動揺は歯周病にとって重要なリスク要因といえます。
全ての歯が動揺している場合には、前歯と両側臼歯の3ブロックに分けて歯を連結します。それでも全体が動揺する場合、前歯は動揺してもそのままメンテナンスを続けますが、臼歯は抜歯してインプラントを行う方がよいでしょう
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