西元先生のタイ短期留学記
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Short-term study abroad in Thailand
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西元 彩乃
大阪大学歯学部の海外派遣留学プログラム2016に参加し、マヒドン大学に5日間留学して非常に貴重な経験をしました。
1日目は矯正科を見学しました。留学生の多さにまず驚きました。ブータン、ミャンマー、インドネシア、フランスなどの各国からの留学生が実際に診療をしており、学生同士で流暢な英語で議論をしている姿を見て、国際交流の必要性、それに伴う英語の重要性を感じました。
2日目、3日目は口腔外科を見学しました。日本と同様に感染対策に力を入れており、滅菌設備も整っていました。予定にはなかったのですが、メインクリニックを見学しました。メインクリニックとは学部学生の診療室です。少し安い診療代で学部学生が診療するそうです。タイの歯科教育制度は日本のものと大きく異なっており、臨床実習を2年行うそうです。日本のように研修医の間に臨床経験を積むシステムとは違い、学部学生の間に臨床経験を積むシステムである点が大きな違いだと思いました。
4日目はMaha Chakri Sirindhorn Dental Hospitalを見学しました。ここには通常の診療費よりも少し高い診療費で経験を積んだ歯科医師が診療する特別診療室がありました。高くても質の良い医療を受けたいという患者ニーズに合わせてつくられたそうです。午後はシミュレーションセンターを見学しました。これは臨床実習に入る前の学生の模型実習室です。形成練習用の部屋では形成した形態が3次元でパソコンに表示され、評価できるシステムであり、私も実際に形成練習をしました。窩洞の深さがどれくらい足りないかなど、詳しく分析されていました。一つ一つの課題に患者背景などが詳しく設定されており、勉強になりました。また、2階は充填、根管治療、技工練習用の部屋で、実際に学生が根管治療の練習を行っているところを見学しました。模型の歯ではなく、患者の抜歯した歯を用いて練習しており、臨床に則した練習ができるようになっていました。部屋にはX線撮影のできる部屋があり、根管充填が適切にできているかを生徒が自ら確認できるということでした。
5日目は小児歯科を見学しました。多くの大学院生が診療していましたが、診療ごとに指導医が評価するシステムになっており、指導システムが確立されていました。
この5日間でたくさんの貴重な経験をしました。マヒドン大学の方々は皆さんとても親切に教えてくださり感謝しています。どの診療科でも海外からの留学生を多く受け入れており、皆さん英語が堪能だったことが印象的でした。この経験を生かして、国際社会で活躍できる歯科医師になれるよう、歯科の勉強、英語の勉強ともに努力していきたいと思います。
スタッフ
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