第7回 日本口臭学会において研究発表を行いました
2016年6月18日・19日の2日間、第7回 日本口臭学会が愛知で開催されたなか、18日午後に口頭発表を行いました。
口臭外来を受診した患者の東大式エゴグラムの変化
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- 樋口均也1),梅﨑さおり1),本田俊一2),前田伸子3)
- 1) 医療法人慶生会 ひぐち歯科クリニック,2) 医療法人ほんだ歯科,
3) 鶴見大学歯学部口腔微生物学講座
【目的】
口臭外来を受診する患者には、家族や他人からの指摘や他人の不自然な仕草を気にする者が多い。ほんだ式口臭治療を実施する際、東大式エゴグラム(以下TEGと略す)を全3回の口臭治療のたびに記入してもらっている。TEGによる性格特性については本学会において繰り返し報告されているが、前後を評価しているものは見当たらない。そこで本研究では治療前後で性格特性に変化が現れているかを調査した。
【対象と方法】
被験者は2010年9月から2016年3月までにひぐち歯科クリニックの口臭外来全3回を受診し、同意を得られた男27名女69名 計96名とした。TEGを1回目の口臭治療の予約日までに記入してもらい、当日持参させたものを治療前とし、3回目の口臭治療の予約日前の1週間以内に記入したものを治療後とした。治療中に患者に対し、心理療法を行い、他人の仕草は自己の仕草の影響であることを認知できるように取り組んだ。検定方法はWilcoxon符号付順位検定を用いた。
【結果】
治療前の口臭患者群は献身的で自分を楽しむことをしないN型Ⅲの特徴を示していた。
口臭治療後はA優位に変化し、他人に影響される傾向があるAC値が減少し、FC値が増加した。しかし、優しさや思いやりに関連するNP値は減少せずさらに増加することが出来た。CP値も増加し、有意差が見られた。Aは元々高いため有意差は見られなかった。
【結論】
口臭外来を受診する患者はAC値が高くFC値が低い傾向がある。それゆえ他人の言動や仕草一つ一つが気になっている。そのため自己主張を控え、内向的になりがちである。口臭治療後は、CP値、NP値、FC値、AC値の増減により、4つの尺度のエゴグラムパターンが平坦になった。口臭治療全3回を通して、認知のゆがみである自己と他人の仕草についての認知の修正がされた事により、口臭だけでなく、内向的な性格が改善され治療前より活発になる者が多いということが明らかになった。
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