日本口臭学会第1回学術大会において学会発表しました
2010年7月10(土)、11(日)に東京水道橋の東京歯科大学水道橋病院の血脇記念ホールで「日本口臭学会第1回学術大会」が開催されました。韓国からも5名の先生が発表されるなか、10日午後に院長が発表しました。
口臭症患者が自覚する口臭の強さと口臭に関連する
不快事項の強さに関する研究
○樋口均也1)、本田俊一2)
医療法人慶生会 ひぐち歯科クリニック1)、 医療法人 ほんだ歯科2)
【目的】
口臭症の患者の多くは自分自身の口臭を自覚していたり、口臭に関連する不快事項を自覚したりしている。口臭臨床の場では、患者の自覚する口臭や不快事項の程度と客観的な口臭の強さは必ずしも一致しないという現象が日常的に観察される。すなわち、普段の生活に悪影響を与えないと推測される程度の口臭であっても、患者にとっては他人との会話が困難となる程度の口臭であると自覚されている場合が多い。このため、患者の自覚する口臭や不快事項について、その程度や日内変動、治療による変化がどのようなものであるかを把握することが、口臭症治療にとって重要となる。ところが、これらに関する報告は少なく、実態が明らかにされているとは言い難い。本研究ではvisual
analogue scale(以下VASと略す)を用いて、不快事項を含めた患者の自覚する口臭の強さを連続的に記録させ、その程度や日内変動を調べたので報告する。
【方法ならびに材料】
007年7月から2010年4月までの間にひぐち歯科クリニックにて口臭症治療を受けた患者の中で、既定の3回の治療の度に口臭強度を記録した48名を調査対象とした。口臭強度は3回の来院日直前のそれぞれ7日間において1日4回、口臭の強さをVASを用いて患者自身に記入させた。口臭を自覚せず口臭に関連する不快事項を自覚する場合も同様にその強度を記入させた。
【結果】
口臭症治療開始前の口臭の強さはVAS値で25であり、起床直後は30と最も高く、就寝前が19と最も低かった。治療後はいずれの時間帯においても有意に低下した。官能検査による客観的な口臭の強さも治療後は口腔内ガス、呼気ガスのいずれも有意に低下した。
【考察ならびに結論】
口臭の強さの日内変動を測定することは困難であるがVASを用いることにより、その強さを定量的に記録することができた。その結果、起床時が最も強く、就寝前が最も弱いことが明らかとなった。口臭症治療により、官能検査とVASのいずれにおいても口臭が弱くなり、治療の効果を確認することができた。
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