梅﨑さおり
2023年6/3~6/4第14回日本口臭学会が4年ぶりに福岡歯科大学にて現地開催されました。
この3年間は、コロナ禍のため、web開催でしたので、大変楽しみにしておりました。
ただ6/2から台風2号の影響のため、電車遅延や運転見合わせなどがあり、当日新幹線は運休もあり、新大阪駅は大変混雑しておりました。
会場に着きましても、台風の影響で、参加できない方もいらっしゃったようでした。
私も少し遅れての参加になり、聞き逃してしまったものもあり、残念です。
臨床系シンポジウムのテーマは「ポストコロナ時代の口臭診療を考える」です。
今回の臨床系シンポジウムでは、院長の発表があり、【ポストコロナ時代の口臭を考える 開業医(歯科)の立場から】というものでした。口臭治療をされている歯科医院にアンケートをお願いし、調査したものを中心に発表をされました。
一般演題の一つに、インプラント周囲炎を臭気で、客観的に判定できる可能性の分析がありました。通常はインプラント周囲のポケットを測定し判断するのですが、判断が難しいので、臭気による診断方法を考えられた研究のようです。今のところこの検査を確率はされていないようですが、今後様々なデータ収集し、確率されることを期待したいです。
他にはスマホ口臭についての演題もありました。現代はほとんどの方がスマホを持っています。そして日常的に、うつむいてスマホを除いていることが多いです。
そのためストレートネック、過緊張、表情筋の停止、唾液減少により、口臭が出るということでした。予防法はなかなか見当たらないので、「歯ブラシストレッチ」というものを考案し、効果が出ているとの報告でした。
やり方は簡単で、誰にでも出来ます。歯ブラシの背の部分で、頬の内側を押すのですが、力を入れて歯ブラシと頬で押し合います。
そうすることによって、筋力もつきますし、お口の中にある無数の唾液腺を刺激出来ますので、唾液も出てきます。筋力アップの効果は一回ではわかりませんが、毎日続けることによって、必ず身体は反応してくれると思います。
歯磨きしたついでに、唾液増加=口臭予防、表情筋筋力アップ=たるみ防止?!にも、効果があるのであれば、お得感満載です。興味のある方は、ご来院時にお声掛けください。
教育講演では、「歯科領域における、心理テストの応用」と題して福岡歯科大学心療内科学の金光教授の講演でした。
当院でも心理テストを活用しておりますので、多少のことは知っているつもりです。いろいろな検査についてのお話や、患者様の良い部分を引き出す工夫だったりと、わかりやすく説明されていました。口臭外来では心理テストも取り入れていますので、その方の傾向を見ながら、治療を進めていけるように、心がけていきたいと思います。
研球系シンポジウムでは「ニオイセンサを用いたマスクメロンの熟成モニタリングに関する研究」と題して東京都産業技術大学院大学の越水教授のお話が大変面白く、
マスクメロンと口臭は関係ありませんが、今回ニオイ測定に用いた機器が、口臭から口腔内疾患の診断をするといった研究に役立つのではないかというものです。
品質工学のMT法(マハラノビス・タグチ)を採用したと言っていました。マハラノビス氏はインドの数理統計学者の方で有名な方です。
田口氏は日本の工学者の方で、タグチメソッドと言われる品質工学を開発された方です。
違う視点からの話を聞くのは、大変興味深いものです。自分自身がMT法を使用することはありませんが、どういうものか知りたいと欲求も出てきます。この追究したいと感じる気持ちをこれからも大事にしていきたいと思います。
1日目の学会が終了後は、懇親会が行われます。
日本口臭学会の会長の森田学先生から始まり、大会長の谷口奈央先生からも挨拶があり、懇親会の始まりです。
あまりお話しする機会のない先生方とも,お声がけしやすいタイミングでもあります。
以前、私が臨月間近で、発表した時の事覚えていらっしゃった先生から、「お子さんは何歳になられましたか?」と、声をかけていただきました。このようなことも、懇親会ならではないでしょうか。
軽食が用意されていましたので、少し頂くことにしましたが、今晩はこの後に、博多の有名割烹料理店に行く予定になっておりますので、この場では食べるより、お話しを中心にしました。
終了時刻が近づいてきたころ、来年度の学会大会長より挨拶が始まりました。
来年度は大阪で学会が開かれ、大会長はなんと当院の院長です。
大阪らしいテーマを入れつつ、すべての方に良いと思えるテーマ内容にする予定です。
この事については、また来年度の学会レポートで書きたいと思います。
2次会は博多にあります、老舗割烹料理よし田にて行われました。
懇意にしていただいている先生方と、院長、私の9名です。
博多の名物イカの活造りは、まだゲソが元気に動いています。素早く捌くので、イカはとても透明感があり、透き通っていました。大きいイカなので、食べきる事ができません。残りは天ぷらにしていただきました。
他にもお刺身盛り合わせ、鮎の塩焼き、牛しゃぶ、鯛茶漬け、フルーツと続きました。
すべて意外と量が多くて、最後はお腹いっぱいになりました。
今回のお店のチョイスは、一緒に参りました先生のご友人の方のお店でした。お店の方にも、とてもよくして頂き居心地がよかったです。
割烹料理店を出た後、博多の歓楽街を観光し、なんと偶然にも、有名な歌舞伎役者さんと有名女優の奥様を見かけました。きれいな女性がいるなと思って見ていたら、「あの方は!」と気づきました。
その時期に、博多座にて公演をされていたようです。
奥様はテレビで見る時と同じ笑顔で、テレビで見る時より、小顔で華奢でオーラがありました。やはり一般人とは別格でした。
その後は、中洲が見えるカフェでゆっくりし、一日目終了です。
教育系シンポジウムでは松本大学の亀山先生と東京歯科大学の石塚先生が歯学部の口臭教育、歯科医師国家試験でも口臭関連問題についての講演でした。過去の教育、試験問題数を比べられていて、やはりこの数年は問題数も増えてきていること、授業でも口臭治療を選択科目の中に取り入れている大学もあるとのことでした。
精神科医の宮地先生からも講演があり、精神科医からの立場からどう扱うか,
口臭症としてのとらえ方、解釈を中心のお話でした。
精神科の先生からのお話はいつも興味深いです。
当院で行っているほんだ式口臭治療の本田先生の講演では、口臭治療は口臭を治療するだけでなく、患者自身のメンタル面にもスポットを当てていくことの大切であり、
そしてそれを担うのは、歯科医師よりも歯科衛生士や歯科助手パラメディカルスタッフが中心となっているので、すべてのスタッフにむけた研修強化をする必要性がある、ということを話されていました。
私自身も本田先生の研修を受け、どのように患者様に対応するのか学ばせて頂きましたし、それから試行錯誤しながら、現在のスタイルを確立したのかと思います。でもまだ完璧ではないですし、どの方も一緒のお悩みではないので、それぞれに対応できるようにこれからも勉強していきたいと思います。
今回4年ぶりの現地開催の学会はいろいろな方向から、で楽しく学ばせていただきました。
来年の学会は大阪大学にて7月に開催されます。いつものように学会参加だけでなく、スタッフとしての関りもあり、初めての事なので不安もありますが、全員で力を合わせて頑張りたいと思います。
学会終了後、二十数年ぶり国家試験合格のお礼参りに、太宰府天満宮まで参りました。
太宰府行の電車に乗り、目的地の太宰府駅に到着。駅のホームから雰囲気が出ています。鳥居をくぐり、参道を歩きながら、やっぱり定番の「梅が枝餅」を食べようと思います。
有名店は何店もありますが、餅を作っているところから、受け渡しが面白いと感じた店で購入することにしました。
まずレジで注文をすると、後ろで焼いている人が、焼けた餅を、小さな穴から餅をすべらせて、こちらに送ってきます。その送られた餅を包んで、お客に渡してくれます。出来立て熱々です。
皮はパリッとして、中のあんこは甘さ控えめで、甘いのが苦手な方でも食べやすいと思います。参道食べ歩きしながら、太鼓橋まで到着しました。
太鼓橋の池周辺には季節柄、アジサイが咲いていました。太鼓橋の朱色とあじさいの青や紫がとても映え、美しかったです。
太宰天満宮は124年ぶりに“令和の大改修”中で、御本殿は端の方から少し見えるだけでした。
御本殿の前に、現在は特別な仮殿が建設されています。この仮殿も素晴らしく、屋根部分が大きなお皿のような形になっていて、その上に木や草が植えられており、緑化されています。
仮殿から御本殿の横を通り、奥へ進むと、夫婦楠と呼ばれる樹齢千年から千五百年と言われている大楠が自生しています。本当に大きくて、圧倒されます。
もっと奥へ進んでいくと、九州最古のお稲荷さん、「天開稲荷社」があります。
この神社まで到達するのに、それなりに長い階段があり、登ったところにあります。
天開稲荷を参拝した後、裏にある、「奥の院」にも参ることにしました。裏手の階段をさらに登ります。
奥の院は石で囲われた石室です。入るとなんとも言えない静寂された場所です。なんだか心も落ち着き、神聖な気持ちになります。そして願い事が叶うパワースポットと言われています。
この奥の院は本当にひっそりとしていて、私が滞在している時間は結構長くいましたが、誰もお参りには来ませんでした。本当に裏手にありますが、案内の看板はあります。気付きにくいのでしょうか?
今までいろいろな神社やお寺にお参りに行っていますが、奥の院では嬉しいでも悲しいでもない、言葉では表せない気持ちになりました。
またこの場所に来るのはいつになるかはわかりませんが、もしまたお参りに来た時には、今回と同じような気持ちになるのでしょうか。それとももっとはっきりとした形がある気持ちになるのか、それはその時の楽しみに取っておきます。
今回は参拝客は少なかったので、大変満喫できました。
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