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4学会合同学会 発表内容

第12回日本口腔検査学会、第30回日本臨床口腔病理学会、第29回日本口腔内科学会、第32回日本口腔診断学会 合同学術大会において研究発表を行いました

2019年9月21日~23日に東京一橋行動で開催された4学会合同学術大会 (東京) に 院長が 参加し、22日午後に口頭発表を行いました。

各種口臭検査とセルフモニタリングによる認知行動療法を実施した口臭症治療の治療成績

樋口均也1),本田俊一2)
 1) 医療法人慶生会 ひぐち歯科クリニック,2) 医療法人ほんだ歯科

【目的】

第12回日本口腔検査学会、第30回日本臨床口腔病理学会、第29回日本口腔内科学会、第32回日本口腔診断学会

口臭外来を受診する口臭症患者には病悩期間が長く、ドクターショッピングを繰り返すなどの難治例が多々見られる。口臭は自分ではわかりにくく、口渇や味覚の変化、会話中に相手が示す仕草を自己の口臭の証拠と見なす患者が少なくない。このような口臭症患者には口臭ガス濃度の軽減、無臭化のみでは口臭の悩みが解消できるとは言い難い。我々はこのような難治例を含む口臭症患者に対し、認知行動療法を中心に据えて治療している。本研究は我々が行った口臭症に対する治療成績を集計し、その効果や関連する要因を分析することを目的とした。

【対象と方法】

口臭に対する不安を主訴としてひぐち歯科クリニックを受診した口臭症患者196名(男性51名、女性145名、平均年齢41±13歳)を調査対象とした。予め口臭に関する生活調査票と1日4回のVisual Analogue Scale for Anxiety(VAS-A)を1週間連続で記入してもらった。初回の検査では官能試験、簡易ガス検知器による機器測定、嫌気性菌の加水分解活性の測定、唾液検査を行った。これらの結果に基づいてアセスメント、疾病教育、認知再構成を行い、患者と治療者が共同でセルフケア計画を作成し実施した。また、口腔衛生指導や口臭グッズの使用も同時に行った。3~4週後にセルフモニタリングと検査を実施して口臭の状態を中間評価し、その3~4週後に最終確認した。有意水準は5%未満とした。第12回日本口腔検査学会、第30回日本臨床口腔病理学会、第29回日本口腔内科学会、第32回日本口腔診断学会

【成績】

官能試験、機器測定の双方で治療後に口臭強度が有意に低下し、VAS-Aも同様に低下した。歯肉溝と口蓋扁桃の嫌気性菌の加水分解活性が有意に低下した。安静時、刺激時唾液量が有意に増加し、白濁、黄濁、沈殿率が有意に低下した。

【結論】

認知行動療法などの治療で不安が改善し、口臭ガス濃度レベルが低下した。これらの結果は嫌気性菌の不活性化、唾液分泌量の増加、唾液性状の改善が寄与したと推測された。また、定期的にセルフモニタリングと検査を繰り返すことで、自己の口臭そのものと口臭への不安の改善状況を患者が実感しやすくなると考えられた。

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